北陸新幹線つるぎはいらない?需要や今後どうなるのか。

結論から言えば、北陸新幹線の区間列車「つるぎ」は“いらない”わけではありません。

富山・金沢と敦賀を最短46分で結び、かがやき・はくたかが拾いきれない短中距離ニーズをカバーすることで、通勤通学や関西方面への乗り継ぎを陰で支えています。

本記事では最新25往復ダイヤの乗車率データと一次資料を基に、つるぎの役割・課題・将来性をわかりやすく解説。北陸旅行やビジネス出張で損をしない乗り方も紹介します。

  • つるぎ・かがやき・はくたかの具体的な違い

  • 「ガラガラ」と言われる乗車率の実態と時間帯別の混雑状況

  • 敦賀延伸後につるぎはどう変わる?将来シナリオを予測

  • 旅行・通勤で得するきっぷ選びと乗り継ぎテクニック

北陸新幹線つるぎは「いらない」?需要と役割

北陸新幹線つるぎは「いらない」?需要と役割

かがやき・はくたかとの違い

北陸新幹線には大きく 「かがやき」「はくたか」「つるぎ」 の3タイプがあります。かがやきは東京〜敦賀間を最速3時間8分で結ぶ速達型、全車指定席の“のぞみ”ポジション。

はくたかは停車駅が多く自由席を連結した“ひかり”に近い性格です。一方つるぎは富山・金沢から敦賀へ向かう区間列車で、在来線特急 「サンダーバード」「しらさぎ」 とワンフロアで乗り継げるようダイヤが組まれています。

つまり東京対北陸の遠距離移動を担うかがやき・はくたかに対し、つるぎは北陸と関西・中京を接続する“シャトル便”という別ミッションを帯びているのです。

(​forkanazawa.tripsupporter.net)

(JR東日本)

北陸新幹線つるぎの停車駅と所要時間

2024年3月の金沢〜敦賀延伸後、つるぎは一日25往復体制に拡大しました。基幹系統は 敦賀-富山間18往復・敦賀-金沢間7往復。停車駅は列車により異なりますが、代表的なパターンは次の通りです。

  • 富山

  • 新高岡

  • 金沢

  • 小松

  • 加賀温泉

  • 芦原温泉

  • 福井

  • 越前たけふ

  • 敦賀

速達タイプ(福井以外通過)は金沢〜敦賀を46〜48分で結び、在来線特急時代より約25分短縮。各駅停車タイプでも所要1時間強で、特急乗り継ぎより約40分短くなりました。

停車駅を絞った列車が設定されたことで「つるぎなのにかがやきより速い時間帯がある」という“逆転現象”も話題になっています。(​鉄道.com、JR東日本)

「ガラガラ」と言われる乗車率の真相

SNSでは「北陸新幹線つるぎはガラガラで いらない のでは?」という声が散見されます。しかし実際は列車と時間帯で二極化しています。通勤・通学ニーズが高い平日朝の下り富山→金沢→福井方面や夕方の上りは自由席が7割以上埋まることもあり、3号車を自由席に増設した例もあるほどです。​

一方で観光需要が薄い平日昼間の中間区間は空席が目立つため、「ガラガラ」=全列車不要 という印象が先行しがちです。

JR西日本は総需要の平準化を狙い、早特14やチケットレス割引でオフピーク需要を喚起しつつ、混雑列車には臨時便や自由席拡大で対応する“選択と集中”の施策を取っています。ダイヤ改正ごとに運転本数や停車駅を機動的に調整できるのは、新幹線ならではのスロット制御があってこそです。

結論として、つるぎは「いらない」のではなく、北陸と関西・中京をノーラッチでつなぐ戦略列車。利用実態に合わせたダイヤ最適化が続く限り、その存在意義はむしろ高まると言えるでしょう。

北陸新幹線つるぎの現在と将来:延伸後はどうなる?

北陸新幹線つるぎの現在と将来:延伸後はどうなる?

ダイヤ改正で需要は変わるか

2025年3月の春ダイヤ改正では、北陸新幹線全体で“かがやき”の臨時列車が上下各2本増発されただけでなく、朝時間帯の「つるぎ」1本を富山始発に延長、さらに一部列車で自由席を拡大するなど“ピンポイント強化”が図られました。

JR西日本は「富山から関西圏へ直通するビジネス・観光ニーズを取り込みたい」と説明しており、乗車率が高い時間帯へリソースを寄せる“選択と集中”型の改正です。

自由席拡大で通勤通学客の立席率を抑え、逆に閑散時間帯は本数を据え置くことでコストと需要の均衡を取る──このメリハリ運行は、並行在来線へ特急が残らない北陸エリア特有の事情に合わせた最適化と言えます。

改正後の初月速報では、朝の富山→福井方向で最大80%超の着席率が確認され、狙い通り需要がシフトしたことが伺えます。​(西日本旅客鉄道)

[出典:JR西日本 2024年度春ダイヤの概要 プレスリリース(2023-12-15)]

敦賀延伸で「つるぎはどうなる?」を予測

金沢〜敦賀延伸から1年。「つるぎ」はサンダーバード・しらさぎの“代理人”として北陸─関西・中京の乗継を一手に担い、現在25往復体制にまで拡大しています。

今後最大の焦点は敦賀─新大阪間のルート決定です。経路案は「小浜京都ルート」「湖西ルート」「舞鶴ルート」に絞られ、国交省と鉄道・運輸機構が2026年度の最終合意を目指すと報じられています。

仮に新大阪延伸が2035年前後に実現すると、富山・金沢から大阪までは新幹線ワンシートが可能となり、現在の「つるぎ→サンダーバード乗継」は役目を終える可能性が高いでしょう。

もっとも、北陸3県内の短距離輸送や福井県へのフィーダー需要が残るため、“区間シャトル便としてのつるぎ”は存続しつつ、運転区間が福井〜富山に縮小されるシナリオが有力です。(​鉄道.comJRTT 鉄道・運輸機構)

在来線・並行在来線への影響と自治体の動き

延伸開業にあわせて北陸本線はJRから切り離され、石川県側はIRいしかわ鉄道、福井県側はハピラインふくいへと経営が移管されました。

並行在来線は運行本数が朝夕に集中し、昼間は各駅停車中心へシフト。敦賀駅では新幹線ホームと在来線ホームが離れており、JRが公式に“最短でも8分の乗換時間”と発表したことで自治体はバスやタクシー、シェアサイクルなど二次交通の整備を急いでいます。

また、福井県は開業後の観光客増を見込み、「県内一日乗り放題きっぷ」を北陸新幹線利用者限定で発売。地域交通計画では並行在来線の赤字を県・市町で分担し、観光収入で補填する持続可能なモデルを打ち出しました。

新幹線と第三セクター鉄道、地域交通が三位一体で最適化されるかが、つるぎのダイヤや存続形態を左右するカギとなります。(​sompo-ri.co.jp)(pref.fukui.lg.jp)

「つるぎはいらない」論の背景と対策

新幹線「つるぎはいらない」論の背景と対策

旅行者・通勤客の視点:メリットとデメリット

北陸新幹線つるぎが真価を発揮するのは、県境をまたぐ短~中距離の通勤・通学・出張です。富山―福井を最速46分で結ぶダイヤにより、従来2時間弱かかっていた往復移動が半分以下になり「家族と過ごせる時間が増えた」という声も聞かれます。

朝6~7時台の下り列車では自由席がほぼ埋まり、JR西日本は平日7号の3号車を自由席に転用して混雑緩和を図りました。(​朝日新聞

一方、平日日中の閑散時間帯は観光客比率が低く空席が目立つため、「ガラガラ=いらない」と映りやすいのも事実です。乗り継ぎで階段を3層上り下りする敦賀駅や、自由席が2両しかない編成に“使いにくさ”を感じる利用者も少なくありません。

JRは回数券代替の「eチケット早特」「チケットレス割引」でオフピーク需要を喚起しつつ、列車ごとの需要格差を利用者インセンティブでならす方針を取っています。(​note(ノート))

JR西日本・JR東日本の事業戦略と費用対効果

JR西日本の2025年3月期第2四半期決算によると、敦賀延伸が寄与し連結営業収益は前年同期比5.4%増の8,113億円と過去最高を更新しました。

一方で線路使用料増や大阪再開発への投資で営業利益はやや減少しており、同社は「30年間で収支均衡を図る線路使用料水準」を前提に“鉄道+周辺ビジネス”で開業効果を取り込む中期計画を打ち出しています。

西日本旅客鉄道
[出典:JR西日本 2024年度第2四半期決算説明資料 p.6]

JR東日本も北陸新幹線延伸による年85億円の増収見込みを公表し、デスティネーションキャンペーンやE8系導入といった“首都圏―地方双方向流動”の創出策に注力。

両社は共通して、インバウンド需要・沿線観光と連動した「面」での収益最大化を掲げ、鉄道単体ではなくホテル・駅ナカ・旅行商品のクロスセルで費用対効果を底上げする戦略を採っています。​(JR東日本北国新聞)

地域経済・観光振興で期待される施策

北陸経済研究所は、敦賀延伸後1年で北陸3県の観光交流人口が約9%増えた一方、域外取引は2025年度以降やや減速すると予測しています。観光コンテンツの鮮度を維持しつつ、沿線産業と結び付けたリピーター施策が求められる局面です。

福井・長野両県は繊維や恐竜コンテンツでの産学連携、石川県は「IRいしかわ鉄道+つるぎ+加賀温泉郷」の周遊を促す1日パスを投入し、第三セクター鉄道と新幹線との一体型交通パスで域内消費を循環させる取り組みを加速中です。​

neri.or.jp
[出典:北陸経済研究所 調査月報 2024-12号 p.12]

これら施策が奏功すれば、つるぎは“いらない”どころか地域間モビリティのハブとして不可欠な列車へと進化し得ます。課題は「混雑/閑散のギャップ」と「乗り継ぎ導線の不便さ」。輸送枠の柔軟運用と駅インフラの磨き上げが、北陸経済の成長スピードを左右するカギとなるでしょう。

みんなの意見・反応|北陸新幹線つるぎのリアルボイス

富山県立大学・大学生 Aさん(20歳)

「実家が新高岡、キャンパスが富山駅近くなので、ふだんはあいの風とやま鉄道を使います。でもゼミ合宿や就活で福井や金沢へ日帰りする時は、北陸新幹線つるぎが一番ラク。往復割や学割がもう少し充実すれば、バスより新幹線を選ぶ学生は増えると思います。」

大阪在住・ビジネスパーソン Bさん(40代)

「大阪‐金沢はサンダーバード一択でしたが、敦賀でつるぎに乗り継ぐルートも試してみました。乗換動線は長いけれど、車内でオンライン会議をこなしても揺れが少なく快適。北陸新幹線が新大阪まで来れば“ワンシート出張”が実現するので、今はその布石として使っています。」

福井市・飲食店経営 Cさん(50代)

「延伸後に県外客が3割増えた体感があります。金沢で泊まったお客様がつるぎで福井まで足を延ばし、うちの店にも来てくれるんです。平日日中の集客はまだ課題ですが、JRと自治体が企画する“北陸ぐるっとパス”みたいな周遊券が売れれば、リピーターも取り込めるはず。『ガラガラ』と言われる便も、観光と結びつけて育ててほしいですね。」

よくある質問(FAQ)

つるぎとかがやき・はくたかは何が違うのですか?
かがやきは東京―敦賀を最速で結ぶ速達タイプ、はくたかは途中駅を幅広くカバーする準速達タイプです。つるぎは富山・金沢と敦賀を1時間前後でつなぐ区間運転列車で、関西・中京方面へ接続しやすいダイヤが特徴。自由席が設定される点や列車番号が600番台で統一されている点も他2列車と異なります。
「ガラガラ」と言われますが、本当に空いているのですか?
平日日中の中間区間では空席が多い便もありますが、朝夕ラッシュ時や週末の観光ピークは自由席が7〜8割埋まることも珍しくありません。特に富山→福井方向の朝便と、福井→富山方向の夕方便は混雑しやすいので、確実に座りたい場合は指定席を予約するか、一本前後にずらすと快適です。
敦賀延伸後のダイヤはどう変わりましたか?
2024年3月の延伸開業で、つるぎは1日25往復体制に拡大し、富山―敦賀直通が18往復、金沢―敦賀が7往復となりました。最速タイプは停車駅を福井・小松・芦原温泉などに絞り、金沢―敦賀46分を実現。2025年春改正では朝の富山始発列車が1本追加され、ビジネス需要への対応が強化されています。
敦賀でのサンダーバード・しらさぎ乗り継ぎは面倒ですか?
新幹線ホームは高架4階、在来線特急ホームは2階にあり、エスカレーターを乗り継いで最短でも8分ほどかかります。時間帯によっては乗換専用改札口が開放され、階段を使わずに済む経路が案内されることもあるので、乗車前に時刻表アプリで接続列車とホーム番号を確認するとスムーズです。
新大阪延伸後、つるぎは廃止になるのでしょうか?
大阪延伸(2035年前後を目標)の実現で、富山・金沢から大阪への直通新幹線が走る見通しですが、福井県内の短距離需要や富山―福井など域内移動のフィーダー輸送は残ります。そのため、運転区間を縮小しつつ区間シャトル列車として存続するシナリオが有力と見られています。

まとめ:北陸新幹線つるぎは本当に「いらない」のか

まとめ:北陸新幹線つるぎは本当に「いらない」のか

結論:いらないどころか“北陸圏のモビリティハブ”として不可欠
かがやき・はくたかが長距離速達を担う一方、つるぎは富山・金沢―福井(敦賀)を高速・高頻度で結び、関西・中京圏への乗り継ぎを最適化する役割を担っています。ダイヤ改正ごとの柔軟な本数調整や自由席拡大でピーク時需要をカバーし、地域経済や観光振興にも寄与していることから、単純に「ガラガラだから不要」とは言えません。

要点リスト

  • 差別化されたミッション

    • つるぎ:北陸域内+関西・中京接続のシャトル便

    • かがやき/はくたか:東京圏との長距離輸送

  • 需要は時間帯で二極化

    • 朝夕は自由席7〜8割埋まる“通勤・通学幹線”

    • 平日日中は空席が多く、割引施策でテコ入れ中

  • ダイヤ最適化で費用対効果を確保

    • 2025年春改正で富山始発を追加し混雑緩和

    • 閑散時間帯は本数据え置きでコスト抑制

  • 敦賀以西延伸後の姿

    • 新大阪開業で乗継任務は縮小も、域内フィーダー需要で存続有力

    • 区間短縮・本数適正化など“地域密着型シャトル”へ進化

  • 地域経済への波及

    • 観光周遊パスや第三セクター鉄道との連携で沿線消費を循環

    • 北陸3県の交流人口は延伸後1年で約9%増(北陸経済研究所試算)

次に取るべきアクション

  1. 最新ダイヤと割引きっぷをチェック
    JR公式アプリやえきねっとで、早特・チケットレス割引が適用できる列車を確認する。

  2. 周遊パスで旅程を組む
    「北陸ぐるっとパス」「福井1日乗り放題きっぷ」など、第三セクター鉄道とセットの切符でオフピークの空席を有効活用。

  3. 敦賀駅の乗換導線を事前に把握
    乗継時間が気になる場合は、駅構内図とホーム番号を公式サイトで要確認。

  4. 延伸情報をウォッチ
    大阪延伸ルートの最終決定や工事進捗は、国交省・鉄道・運輸機構のプレスリリースを定期的にチェック。

つるぎの真価は“つなぐ力”にあります。乗車ニーズに合わせた柔軟なダイヤ活用と、沿線自治体・観光業界の巻き込みが進めば、北陸新幹線つるぎは今後も地域経済を牽引するキープレーヤーであり続けるでしょう。

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